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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻8号

1991年08月発行

文献概要

臨床経験

弾撥母趾の1例

著者: 薩摩博1 野中藤吾1 福田寛二1 保脇淳之1 宗円聡1 田中清介1

所属機関: 1近畿大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.981 - P.984

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 抄録:手指の屈伸に際して弾撥現象を呈する症例は日常多く見られるが,足趾におけるこのような現象は比較的稀である.最近,我々は足趾に発生した弾撥母趾の1例を経験した.症例は鳶職に従事する40歳の男性で,主訴は左母趾の弾撥現象である.足関節底屈位において母趾を中間位から自動的に屈曲すると,母趾の弾撥現象が生じた.MRI像より長母趾屈筋腱の肥大を認めた.長母趾屈筋腱腱鞘造影では,足関節底屈位により足関節内果後方で明らかに腱鞘にくびれを認め,さらに,この肢位で母趾を自動的に屈曲すると,くびれた部位を肥大した長母趾屈筋腱が通過して弾撥現象をきたした.術中所見として腱はosseo-fibrous tunnelの入口部で強く圧迫されており,これを切開することにより母趾の屈伸時での腱の滑動は良好となった.術後6ヵ月の現在,疼痛の訴えはなく,弾撥現象の再発を認めない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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