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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻9号

1991年09月発行

文献概要

論述

足関節靱帯損傷に合併する関節軟骨損傷―関節鏡所見

著者: 多賀一郎1 史野根生2 井上雅裕2 永野重郎1 前田朗2 小野啓郎2

所属機関: 1星ケ丘厚生年金病院整形外科 2大阪大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1021 - P.1027

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 抄録:陳旧性足関節靱帯損傷に対する靱帯再建術後も足関節痛が遺残する症例にしばしば遭遇するが,その原因を知るために関節鏡検査を施行し関節内病変合併の有無を調べた.対象は足関節外側靱帯損傷患者31例(新鮮損傷9例,陳旧損傷22例;男16例,女15例;平均年齢20歳)であった.全例,靱帯縫合術あるいは靱帯再建術を施行した患者で,手術の直前に関節鏡検査を施行した.関節軟骨損傷は,新鮮例の89%,陳旧例の95%にみられた.これらの病変はほとんどが関節の内側半分にみられ,特に脛骨天蓋の前内側に多かった.このうち,重度の関節軟骨病変は陳旧例の8例にみられたが,新鮮例にはみられなかった.術後1年以上経過した現在,遺残関節痛は,重度の病変を有する8例のうち4例に軟骨病変に一致した部位にみられた.足関節靱帯損傷では陳旧例ほど軟骨損傷を高率に合併しており,重度なものは関節痛の原因となりうる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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