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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻9号

1991年09月発行

文献概要

臨床経験

化膿性仙腸関節炎の1例

著者: 武田記和1 光野一郎2 𣳾永募2 井戸一博2 西賀隆夫2 藤田仁2

所属機関: 1静岡県立総合病院整形外科 2大津赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.1043 - P.1046

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 抄録:症例は31歳,女性.昭和63年3月20日,左下肢の倦怠感,跛行を生じ,同夜入浴後,左殿部の激痛のため起立不能となった.入院時,仰臥位をとったまま体動不能であった.SLRの制限を認め,根性坐骨神経痛様であったが,発熱等の炎症所見を認めた.Ga scan,bone scanで左仙腸関節部に異常集積像を認め,enhanced CTで左仙腸関節前方に膿瘍を認めた.動脈血培養でStaphylococcus aureusが検出された.安静と抗生剤投与で軽快し,膿瘍も消失した.化膿性仙腸関節炎は比較的稀な疾患で早期診断が困難と言われている.本症例ではbone scan,Ga scanが早期診断に有用で,感染部位の検索に適していた,更に感染巣の詳細な把握にはenhanced CTが有用であった,また,抗生剤投与を早期に開始したため膿瘍に対し手術的療法を必要としなかった.日常診療において,仙腸関節ストレステスト(pelviccompression test,Gaenslen test,Patrick test)の必要性を強調したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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