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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻9号

1991年09月発行

文献概要

臨床経験

長母指伸筋腱,長橈側手根伸筋腱,伸筋支帯間の破格腱の1例

著者: 谷口泰徳1 吉田宗人1 船岡信彦1 島欽也1 池田芳樹1

所属機関: 1社会保険紀南綜合病院整形外科

ページ範囲:P.1085 - P.1087

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 抄録:われわれは長母指伸筋腱,長橈側手根伸筋腱,伸筋支帯間の稀な破格腱を1例経験したので報告する.症例は20歳の男性で,右前腕伸側に瘢痕状の筋萎縮を伴った陳旧性の後骨間神経麻痺に対して1990年5月25日,手指の伸展機能再建のため津下法による腱移行術を施行した.その術中に以下の破格腱が確認された.すなわち,長橈側手根伸筋腱の橈側に副腱が存在し,さらにその副腱は伸筋支帯から起始した腱と癒合しており,その癒合した破格腱は第1中手骨の中央レベルで長母指伸筋腱に連絡していた.この破格腱は,小杉らの分類による長母指伸筋腱IV b型と長橈側手根伸筋腱III d型の混合したタイプと推察された.
 過去の伸筋腱の解剖学的研究の報告にも.われわれの症例のように長母指伸筋腱.長橈側手根伸筋腱,伸筋支帯間に連絡をもつ破格腱の記載はなく非常に稀な破格腱と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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