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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科26巻9号

1991年09月発行

文献概要

臨床経験

関節唇が骨頭―臼蓋間に介在していた変形性股関節症の3症例

著者: 山崎謙1 黒木良克1 斉藤進1 扇谷浩文1 小原周1 林淳慈1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院整形外科教室

ページ範囲:P.1099 - P.1103

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 抄録:関節唇が股関節の機能上どのような役割を果たすかはいまだ明らかではない.今回,筆者らは変形性股関節症(以下変股症と略す)について,股関節唇が骨頭-臼蓋間に介在した3例を股関節造影,股関節鏡を用いて確認し得たので報告した.
 新生児,乳児の股関節において骨性部分に比較して軟骨成分が多く骨頭に対する骨性臼蓋の幅は非常に小さい.従って歩行を始める前段階と,歩行を始めて十分な骨性臼蓋が発育する成長段階ではlimbusは臼蓋の深さを増し求心性を保つため,正常の股関節の発育には必要不可欠であろうと,筆者らは考えている.
 しかし,成長終了時に関節唇が骨頭-臼蓋に介在する場合,股関節痛の原因となり,また相対する骨頭側の軟骨を損傷する可能性があるため,術前に関節造影,関節鏡を行いlimbusの状態を検索する必要がある.また骨頭-臼蓋に介在するlimbusが股関節に対し悪影響を及ぼす場合,摘出したほうがよいと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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