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臨床経験
肋骨に発生した血管内皮腫の1例
著者: 山崎克彦14 鴨川盛秀14 大野烈士2 盛本正男3
所属機関: 1新山手病院整形外科 2新山手病院胸部外科 3新山手病院呼吸器内科 4現連絡先:東京都多摩老人医療センター
ページ範囲:P.1115 - P.1118
文献購入ページに移動症例は50歳男性で,右側胸部痛が出現し,X線上肋骨に異常陰影を指摘されたがそのまま放置し,2年後に当科を初診した.X線上右第6肋骨は基部から近位1/3にかけて膨隆し,同部の骨皮質の破綻は見られなかった.骨外への腫瘍の波及は見られなかったが,過去2年間で急速な拡大が認められたので,悪性腫瘍も考え胸膜・肋間筋を含めて腫瘍部分を広範に切除した.組織学的には,管腔を形成し異型性を有する内皮細胞の増殖が認められたことより血管内皮腫と診断した.
骨に発生する血管内皮腫は,原発性骨悪性腫瘍中稀であり,その発生部位,組織像について若干の考察を加えた.
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