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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻1号

1992年01月発行

文献概要

論述

脂肪肉腫と悪性線維性組織球腫の臨床・病態の比較

著者: 姥山勇二1 井須和男1 山脇慎也1 平賀博明1

所属機関: 1国立札幌病院整形外科

ページ範囲:P.25 - P.31

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 抄録:脂肪肉腫70例,悪性線維性組織球腫(MFH)45例とから,その臨床像を分析した.発生年齢は50歳以上に好発することと,20歳以下に稀な点で共通する.両者とも好発部位は大腿だが,大腿の区域別発生頻度では相違をみる.その他脂肪肉腫は上肢に,MFHは殿部に特徴的に少ない.遠隔転移はMFHではその80%が肺に集中するが,脂肪肉腫では肺の他,肝,後腹膜にも同等に転移し死亡している.脂肪肉腫の3年,5年,10年生存率は89%,81%,75%,MFHのそれは79%,66%,53%でMFHの方が予後不良である.また1年以内の急激な経過をとる例がMFHにみられる.予後因子としては,脂肪肉腫では組織型,MFHでは局所再発が考えられた.最も発生頻度の高い脂肪肉腫の粘液型とMFHの通常型は,その組織構成因子も多彩であり,組織学的悪性度を判定する場合には,更に細分類した病理組織学的検討が必要な予後結果を示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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