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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻1号

1992年01月発行

文献概要

境界領域

血液の液状保存が6週間できるSAGM液の自己血輸血への応用

著者: 樋口富士男1 酒井亮1 副島崇1 内川知也1 井上明生1 清川博之2 前田義章2

所属機関: 1久留米大学医学部整形外科 2福岡赤十字血液センター

ページ範囲:P.63 - P.66

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 抄録:現在,自己血輸血の最大の問題は,血液の保存期間が3週間と短いということである.このために大量の貯血が必要な場合や高齢者の実施は困難となり,採血法の工夫や高価なエリスロポエチンや冷凍保存法の応用が試みられている.しかし,本来自己血輸血は各種疾患の治療の補助手段として用いる輸血の合併症を避ける目的で行われており,患者にとっては絶対安全なものでなくてはならない.従って,安全で安価な血液の保存期間の延長は,患者や自己血輸血に携わるも医師にとって理想的な解決法である.西欧では5年以上前から血液を6週間保存できるSAGM液が使用されている.このSAGM液を102例の日本人に対して,400gの自己血輸血用として使用しその安全性を検討した.その結果,SAGM液は,400g使用では臨床的には安全な保存液であった.しかし,一部の症例では使用後一時的に一過性のトランスアミナーゼの軽度の上昇がみられたので,更に症例を増やした確認が必要であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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