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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻1号

1992年01月発行

文献概要

臨床経験

上腕骨滑車骨折後の内反肘に伴った遅発性尺骨神経麻痺の1例

著者: 飯田哲1 岡崎壮之1 栗原真1 徳重克彦1 長沢謙次1 金民世1

所属機関: 1川鉄千葉病院整形外科

ページ範囲:P.67 - P.70

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 抄録:症例は23歳,女性.8歳時に左上腕骨骨折にてギプス固定を受け,17歳時左手環・小指のしびれから発症した遅発性尺骨神経麻痺の1例である.内反肘変形を認め,ストレスX線で20度の側方動揺性と,三次元CTにて肘屈曲・伸展に伴う滑車骨片の不安定性が認められた.手術時,尺骨神経はOsborneのfibrous bandでentrapされていたが,側方動揺性による外反ストレスや骨片の不安定性から尺骨神経を保護する目的にて筋層下前方移行術を施行した.術後6カ月,claw変形は消失,知覚障害は改善を示し,経過は良好である.外顆偽関節後の外反肘に遅発性尺骨神経麻痺が発症することは一般に知られているが,本症例のごとく,滑車偽関節後の内反肘に伴う遅発性尺骨神経麻痺の報告は,我々が渉猟した範囲では見当たらなかった.また,内反肘に伴う遅発性尺骨神経麻痺としては,顆上骨折後や滑車形成不全があるが,そのいずれとも異なる病態を呈していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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