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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻1号

1992年01月発行

文献概要

臨床経験

大腿骨頭前方回転骨切り術とKramer変法を施行した高度大腿骨頭すべり症の1例

著者: 高橋謙治1 久保俊一1 藤岡幹浩1 大塚悟郎1 池田文一1 平澤泰介1

所属機関: 1京都府立医科大学整形外科

ページ範囲:P.75 - P.79

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 抄録:症例は12歳,女性.主訴は右股関節部痛.身長158cm,体重62kgで肥満傾向を認めた.右股関節可動域は屈曲,外転,内旋で制限があった.X線学的に股関節裂隙の狭小化があり,右大腿骨頭の後下方へのすべりはposterior tilting angle(PTA)で75°認めた.慢性型の右高度大腿骨頭すべり症と診断し,大腿骨頭前方回転骨切り術とKramer変法を組合わせて施行した.PTAは5°に改善し術後1年から全荷重負荷を行っているが,軽度の内旋制限が認められるものの,疼痛はなく関節裂隙は良好に保たれている,術後行ったシンチグラフィーでも骨頭への血行が保たれていることを確認した.高度のすべり症には満足のいく治療法が確立されているとは言いがたいが,本法では栄養血管の保護を経験的な勘に頼ることなく,直視下に行いえた.また,整復状況を的確に判断でき,高度なすべりも十分に矯正できるため,今後高度すべり症に対する有効な治療法になり得ると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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