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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻1号

1992年01月発行

文献概要

臨床経験

胸椎部肥厚性脊髄硬膜炎の1例

著者: 姜秀宗1 吉岡秀夫1 天野祐一1 金井秀彰1 武田善樹2

所属機関: 1淀川キリスト教病院整形外科 2淀川キリスト教病院臨床病理

ページ範囲:P.103 - P.106

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 抄録:肥厚性脊髄硬膜炎は硬膜の限局性肥厚により脊髄および神経根を圧迫し,さまざまな臨床症状を来す稀な疾患である.我々は胸椎部に発生した肥厚性脊髄硬膜炎の1例を経験したので報告する.症例は48歳の女性で,主訴は背部痛と歩行障害である.両下肢の筋力低下・腱反射の亢進・Th4以下の知覚鈍麻を認めた.血沈亢進,CRPの上昇,脳脊髄液の細胞・蛋白の増加があり,MRIで硬膜管の腫大および不整像を,ミエログラフィーでは完全ブロックを認めた.Th1からTh5までの左側椎弓広範囲切除術を施行し,肥厚硬膜を可及的に切除した.術後,背部痛は消失し,運動.知覚障害も改善した.本疾患の原因は特発性のものが多く,術前診断は困難である.MRI・脳脊髄液検査は脊髄腫瘍との鑑別の上で重要であり,不全麻痺が出現する前に早期診断,早期治療が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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