icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻10号

1992年10月発行

文献概要

臨床経験

乳児に発生した脊髄損傷の1例

著者: 坪田聡12 五十嵐一郎1 沼田仁成1 鹿野尚英1

所属機関: 1厚生連高岡病院整形外科 2現:金沢大学医学部整形外科教室

ページ範囲:P.1151 - P.1154

文献購入ページに移動
 抄録:乳児に発生した,骨傷を伴わない外傷性脊髄損傷を経験した.症例は10ヵ月の女児で交通事故にて受傷し,対麻痺を主訴として当科受診.初診時,第4腰髄以下の知覚障害と完全弛緩性対麻痺があり,深部腱反射は消失していた.胸腰椎単純X線像では異常所見はなかったが,受傷後1週目のmagnetic resonance imaging(MRI)で第12胸椎/第1腰椎椎間板高位の脊髄に,T1強調画像で低信号強度,T2強調画像でも低信号強度で一部高信号強度の所見があり脊髄内の出血と浮腫と考えられた.受傷後7週目のMRIでは,T1,T2強調画像とも脊髄萎縮を認め,同部はT1強調画像で低信号強度,T2強調画像で高信号強度であり,空洞の形成過程と考えられた.本症のように骨傷を伴わない脊髄損傷に対して,MRIは損傷高位および範囲の検索や経時的変化の観察に大変有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら