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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻10号

1992年10月発行

文献概要

臨床経験

腰椎高度後方脱臼骨折に施行した反張位牽引療法

著者: 千川隆志1 川端義正1 浦岡秀行1 杉峰雅彦1

所属機関: 1徳島県立海部病院整形外科

ページ範囲:P.1209 - P.1212

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 抄録:腰椎脱臼骨折の多くは,胸腰椎移行部に発生し,しかも前方脱臼骨折の型をとるが,中・下位腰椎の後方脱臼骨折は稀である.今回我々は,高度の転位を伴った腰椎後方脱臼骨折の1例を経験したので報告する.症例は58歳男性で,山桃の木より転落し受傷した.腰背部痛と歩行不能を訴え,両下肢不全麻痺の状態で来院し,X線上第2腰椎後方脱臼骨折と第3腰椎粉砕骨折を認めた.両大腿骨鋼線牽引に対抗牽引と吊り上げ法を追加した反張位牽引を施行し,良好な整復位が得られた.その後牽引を継続しつつ,その位置で反復位ギプス固定を行った.受傷後10週目に,第3腰椎椎弓切除による除圧,Harrington rodによる後方固定および後側方固定術を施行した.術後はADL上ほぼ支障なく独歩可能で経過良好である.治療は脊椎損傷一般に言えるように,早期の整復固定が必要であり,本例では良好な整復位を保持するのに反張位牽引療法が有効であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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