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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻11号

1992年11月発行

検査法

外傷性腕神経叢麻痺の術中電気診断―硬膜外脊髄誘発電位の有用性について

著者: 村瀬剛1 河井秀夫1 太田市郎1 正富隆1 島田幸造1 川端秀彦1 中西啓文1 小野啓郎1 森隆比古2 真下節2

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室 2大阪大学医学部麻酔科

ページ範囲:P.1237 - P.1245

文献概要

 抄録:外傷性腕神経叢麻痺手術例17例に対して,硬膜外脊髄誘発電位(ESCP)を用いた術中電気診断を行ったのでその結果を報告する.腕神経叢展開時に各脊髄神経や末梢神経を直接電気刺激し,術前透視下にC4/5高位に挿入した硬膜外電極からESCPを導出し,同時に導出したSEPと比較した.術中電気刺激した40脊髄神経のうちESCP,SEPとも導出できたのは21神経で,ESCPはSEPに比して5~10倍の高振幅で明瞭な波形を記録した.SEPが導出できず,ESCPが導出できた4神経についてはESCPの振幅は正常の脊髄神経電刺激に比べ著しく低下しており,神経の損傷を反映しているものと考えられた.一方,SEPが導出できて,ESCPが導出できなかった症例はなかった.ESCPは外傷性腕神経叢麻痺の術中診断として,節前損傷の有無の診断や末梢神経損傷の診断に極めて有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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