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シンポジウム 膝十字靱帯再建における素材の選択
文献概要
抄録:骨付き自家膝蓋腱は,第一に強度が他の自家組織に比して大きいこと,第二に両端に骨片を付着させているために術後早期に生物学的固定が完成するなどの利点を有する素材である.筆者は本素材を用いた前十字靱帯再建148例と後十字靱帯再建28例の成績を調査し,大部分の症例に良好な成績が得られていることを確認した.しかし膝の伸展機構の一部を犠牲にすることによる合併症も見られ,必ずしも最良の素材であるとは断言できなかった.骨付き膝蓋腱は現時点では,自家組織による十字靱帯再建法としては最も安定した成績が期待できる“gold standard”と考えられるが,一方,注意深い手術手技が要求され,また術後の膝蓋大腿関節障害や大腿四頭筋萎縮に対する対策も必要と思われた.
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