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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻11号

1992年11月発行

シンポジウム 膝十字靱帯再建における素材の選択

腸脛靱帯

著者: 南出正順1 守屋秀繁1

所属機関: 1千葉大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1253 - P.1257

文献概要

 抄録:当教室において腸脛靱帯を用いて膝前十字靱帯再建術を施行し,術後3年以上経過した,男性107例女性74例,計181例181膝の術後調査を行った.JOAスコアでは術前平均66.4点が術後平均94.8点へと改善していた.新鮮例では術後97.6点,陳旧例では94.1点と差を認め,陳旧例で合併損傷を伴う場合の平均は92.4点であり,新鮮単独損傷の98.0点に比べ劣っていた.若年女子陳旧例に成績不良例が散見され,再建靱帯の弛緩によるものと思われた.
 人工靱帯がいまだ多くの問題を抱えている中,自家組織による再建術は信頼性が高く,当分の間は主流となるべき手術法である.今回の基礎的研究でも腸脛靱帯は幅4.5cm以上であれば正常ACLと同等あるいはそれ以上の強度を有しており,実際の手術では幅4~5cmで用いるため,substituteとしては十分に適していると思われるが,靱帯の成熟には約1年を要することより,その間のactivityには十分注意を払ったリハビリテーションプログラムを組むべきと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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