icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻11号

1992年11月発行

シンポジウム 膝十字靱帯再建における素材の選択

新鮮凍結同種腱

著者: 中田研1 史野根生2 井上雅裕1 前田朗1 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科 2大阪労災病院スポーツ整形外科

ページ範囲:P.1259 - P.1266

文献概要

 抄録:前十字靱帯(以下ACL)再建術の現時点での成果と限界を探る目的にて,新鮮凍結同種腱を用いた鏡視下ACL再建術を行い,臨床上良好に経過している患者47例につき,術後18~36ヵ月の時点で,prospectiveに膝の前後方向の動揺性と下肢筋力を定量的に評価した.膝20゜屈曲位での測定器械を用いた前方引き出し試験を行い,200N前方引き出し力における脛骨の大腿骨に対する移動量を測定した.下肢筋力は,Cybex IIを用いて等速性収縮筋力を測定した.
 ACL再建術後の膝の前方動揺性は,反対側の健常な膝より平均1.0±2.0mm大きく,有意差を認めた.しかし,男性患者24例のみでは,健側との差は平均0.6±2.1mmで有意差を認めなかった.下肢筋力は,60゜/秒の角速度での膝伸展筋筋力のピークトルクは手術側は健側の83%と有意に低かった.60゜/秒の角速度での膝屈筋筋力と,180゜/秒の角速度での膝伸展筋筋力,膝屈筋筋力とも,手術側と健側で有意差を認めなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら