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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻11号

1992年11月発行

臨床経験

広背筋,大円筋移行術を併用した人工肩関節置換術の1症例

著者: 井上篤志1 青木光広1 長尾正人1 三名木泰彦1 堀田知伸1 荻野利彦2 山内一功2

所属機関: 1札幌医科大学整形外科 2札幌医科大学付属衛生短期大学

ページ範囲:P.1315 - P.1319

文献概要

 抄録:我々は,腱板機能不全を伴う慢性関節リウマチ(RA)患者に対して,人工肩関節置換術(TSR)と広背筋,大円筋を用いた腱板の再建術を行った.腱板機能の再建によって人工関節の安定化,impingementの防止,外旋筋力の強化を期待した.患者は発症より19年を経過しているRAで,RA診断基準(1987年)の7項目をすべて満たしており,stage IV,class 2,Lansbury活動性指数62%である.右肩関節の術前可動域は,自動屈曲40゜,外転25゜,外旋20゜,内旋60゜である.用いた人工肩関節は,京セラ製のnonconstrained typeである.手術は,広背筋と大円筋を上腕骨より剥離し,これを上方へ引き上げて肩峰の下を通し後方より斜め前方に上腕骨骨頭を覆うように移行した.術後1週間でCPMを開始した.術後6ヵ月の肩関節機能は,自動屈曲85゜,外転50゜,外旋40,内旋L4レベルである.疼痛も消失している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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