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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻12号

1992年12月発行

文献概要

臨床経験

ガードナー症候群に合併した軟骨芽細胞腫の1症例

著者: 片桐浩久14 田島宝1 杉山晴敏1 森山明夫1 佐藤士郎1 岩瀬敏樹1 加藤哲弘1 浦崎哲哉1 住田憲治1 鳥居修平2 山瀬博史3

所属機関: 1静岡済生会総合病院整形外科 2名古屋大学形成外科 3静岡済生会総合病院外科 4現:名古屋記念病院整形外科

ページ範囲:P.1367 - P.1370

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 抄録:ガードナー症候群は大腸ポリポーシス,骨腫瘍,軟部組織腫瘍を3徴候とする疾患である.大腿骨頸部病的骨折を契機に発見された23歳男性の症例を経験した.軽微な外傷で大腿骨頸部骨折を来たし,単純X線写真にて境界の比較的明瞭な骨透亮像を認めた.易出血性の腫瘍を掻爬し,captured hip screwにて骨接合後,自家骨をハイドロキシアパタイトと混合し移植した.組織所見より軟骨芽細胞腫と診断された.術前著明な貧血を認め,術後大腸ポリポーシスが発見された上頭部骨腫も認められこの時点で不完全型ガードナー症候群と診断した.結腸全摘術も行い術後経過良好であったが,3年後下腹部腫瘤が発現した.腫瘍腹壁合併切除および大腿直筋による腹壁再建術を行った.組織所見はデスモイドであり完全型ガードナー症候群と診断した.完全型ガードナー症候群は全体の10%以下と稀であり,渉猟しえた範囲では軟骨芽細胞腫の合併例はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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