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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻12号

1992年12月発行

文献概要

臨床経験

項部に発生し,被膜内に骨化を認めた傍骨性脂肪腫の1例

著者: 橋間誠1 宗円聡1 熊野文雄1 濱西千秋1 田中清介1 細川宏一2 橋本重夫2

所属機関: 1近畿大学医学部整形外科 2近畿大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1371 - P.1373

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 抄録:42歳,女性,主訴,左項部の腫瘤,平成3年5月頃より左項部隆起を自覚した.入院時所見は項部に大きさ7×8cm,表面平滑で,色素沈着や発赤,静脈怒張のない隆起を認め,腫瘤は,緊満弾性,表面平滑,境界明瞭,可動性良好で,波動,局所熱感,圧痛は認められなかった.CT,MRIにて第1~第4頸椎にかけ,棘突起及び椎弓に接して,被膜内に石灰化を伴う脂肪性の腫瘍陰影が認められた.全摘出術施行後,組織学的に成熟した脂肪組織の増殖と,被膜内と一部腫瘍内に軟骨及び骨組織が観察され,骨との密接な関係より,傍骨性脂肪腫と診断した.被膜内骨化の原因としては,項靱帯,棘間靱帯が被膜化して骨化した可能性,あるいはこれが脂肪腫でなく,骨,軟骨組織の混在する間葉腫である可能性等も考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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