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臨床経験
根治的頸部廓清術後に発生した鎖骨疲労骨折の2例
著者: 河野仁1 小川清久1 磯貝豊2
所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室 2東京電力病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.1399 - P.1402
文献購入ページに移動症例1は50歳,男性.舌癌のため右根治的頸部廓清術,術後放射線療法を施行.7ヵ月後に右鎖骨骨折が発生した.保存的に加療した結果,偽関節を形成したもののADL上支障はない.
症例2は56歳,男性.下咽頭癌のため右根治的頸部廓清術,術後放射線療法を施行.2年後に右鎖骨骨折が発生した.保存的に加療し,骨癒合は得られなかったもののADL上支障はない.
根治的頸部廓清術では副神経と胸鎖乳突筋を切除するため,鎖骨に下方への屈曲ストレスが働く.2症例とも,この屈曲ストレスにより疲労骨折を生じたと考えられるが,放射線照射の影響も完全には否定し得ない.
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