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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻12号

1992年12月発行

文献概要

臨床経験

根治的頸部廓清術後に発生した鎖骨疲労骨折の2例

著者: 河野仁1 小川清久1 磯貝豊2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室 2東京電力病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.1399 - P.1402

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 抄録:根治的頸部廓清術後に発生した鎖骨の疲労骨折と考えられる2例を経験したので,考察を加えて報告する.
 症例1は50歳,男性.舌癌のため右根治的頸部廓清術,術後放射線療法を施行.7ヵ月後に右鎖骨骨折が発生した.保存的に加療した結果,偽関節を形成したもののADL上支障はない.
 症例2は56歳,男性.下咽頭癌のため右根治的頸部廓清術,術後放射線療法を施行.2年後に右鎖骨骨折が発生した.保存的に加療し,骨癒合は得られなかったもののADL上支障はない.
 根治的頸部廓清術では副神経と胸鎖乳突筋を切除するため,鎖骨に下方への屈曲ストレスが働く.2症例とも,この屈曲ストレスにより疲労骨折を生じたと考えられるが,放射線照射の影響も完全には否定し得ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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