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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻2号

1992年02月発行

文献概要

論述

感染人工股関節の検討

著者: 松井康素1 長谷川幸治1 岩田久1 元田英一1 片岡祐司1 三浦隆行1 小西伸夫2

所属機関: 1名古屋大学医学部整形外科 2愛知県済生会病院整形外科

ページ範囲:P.123 - P.129

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 抄録:当院にて治療した人工骨頭,人工股関節全置換術後の感染例を調査し,感染の予防,治療法の確立を目的とした.症例は9例(男5例,女4例,初回手術時平均年齢58.3歳,人工骨頭置換術後5例,THR後4例).発症までの期間は,平均1年8ヵ月(急性発症例2例,遅発例7例).術後の経過観察期間は,平均2年.全身的,局所的な臨床症状は明らかでないものが多かったが,血液検査所見では,血沈,CRPは中等度以上の上昇を認めることが多く感染の指標となり得た.起炎菌は,Staphytococcus epidermidisが3例,Staphyfococcus aureusが2例と多かった.X線所見ではstem下部(zone 3,5)を中心とした広範なlooseningが多かった.全症例の最終受診時の臨床評価は,日整会点数で平均55.4点と良好ではなかった.人工関節を再置換した症例は,抜去状態の症例より成績が良かった.再置換術は,人工関節抜去後6カ月以上経過を観察し,感染沈静化の確認後に二期的に行うのが安全と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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