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臨床経験
壊死性筋膜炎の1例―早期診断におけるMRIの有用性
著者: 吉野恭正1 飯塚正1 井上哲夫1
所属機関: 1埼玉医科大学整形外科学教室
ページ範囲:P.161 - P.165
文献購入ページに移動症例は,40歳の男性で,平成2年11月25日転倒し,左膝に擦過傷を生じた.受傷後8日目より急激に同部の有痛性腫脹が出現し,抗生剤投与を受けたが症状は増悪し,12日目に入院となった.単純X線像で軟部組織にガス像は認めず,MRIのT2強調画像で,広範囲かつ全周性に浅層筋膜を中心に高信号領域を認めた.MRI所見と臨床症状より壊死性筋膜炎を疑い,入院当日生検し,確定診断した.3回のデブリドマン後植皮し,治癒し得た.渉猟しえた範囲では,本疾患のMR1像の報告はない.今回,MRI像が早期診断に役立ち,下肢切断することなく治癒できた.MR1は本疾患の早期診断に対する有力な補助診断法である.
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