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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻2号

1992年02月発行

文献概要

臨床経験

嚥下障害を呈した強直性脊椎骨増殖症の2例

著者: 石川淳一13 岩崎公彦1 佐藤栄修2 倉上親治2 橋本友幸2

所属機関: 1王子総合病院整形外科 2北海道大学医学部整形外科学教室 3現:北見小林病院

ページ範囲:P.175 - P.180

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 抄録:強直性脊椎骨増殖症(ankylosing spinal hyperostosis)は椎間板線維輪,前縦靱帯の骨化,骨増殖により,ついには隣接椎体間の癒合を呈す疾患である.この疾患による特徴的な症状はないが,稀に頸椎において前方に異常に増殖した骨化層により,食道,気管が圧排され,嚥下障害あるいは稀に呼吸困難を呈することがある.今回我々は,頸椎前方の異常骨化層により嚥下障害を呈した同疾患を経験した.1例に対しては手術的に骨化層を切除し,術後完全な嚥下障害の改善が得られた.もう1例は嚥下障害に加えて,嗄声,口渇感も合併しており,咽喉頭周囲の浮腫,炎症性変化の関与も考えられ,さらに,症状が比較的軽度であることより,現在経過観察中である.骨化層による食道の機械的圧迫が嚥下障害の原因と考えられる症例に対しては積極的な手術的切除が有効である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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