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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻2号

1992年02月発行

文献概要

臨床経験

移植骨固定に用いたalumina ceramic screwの破損により生じたbipolar型人工股関節置換術後のmetallosisの1例

著者: 保坂泰介1 山室隆夫1 奥村秀雄1 笠井隆一1 松末吉隆1 松田康孝1

所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.181 - P.185

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 抄録:我々は,移植骨固定に用いたalumina ceramic screwの破損によりBateman UPFのinner headの摩耗を生じ,重篤なmetallosisを来した1例を経験したので報告した.原因は,outer headのmigrationが進行し,alumina ceramic screwに接触・圧迫してscrewが破損,その破片の一部が,high density polyethylene(以下HDPと略す)のbearing insert内面に付着してinner headを研磨し,Co・Cr・Moの摩耗粉が流出したためと思われた.金属粒子は,生体に対する影響として細胞毒性・アレルギー反応・腫瘍原性等を有するため,生体組織内への沈着は極力避けねばならない.素材としてのalumina ceramicは,優れた生体親和性を有する反面,極めて脆性的(brittle)な性質をもち,特にscrewのような細長い構造をとると破砕し易いので,その危険性に十分配慮して慎重に適応を考えるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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