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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻2号

1992年02月発行

文献概要

臨床経験

人工靱帯による前十字靱帯再建術後,感染を生じ,再手術した1例

著者: 伊藤靖1 佐々木康夫1 青木正幸1 安間英毅1 金物壽久1 山田英世1 高橋成夫2

所属機関: 1長野赤十字病院整形外科 2三菱名古屋病院整形外科

ページ範囲:P.187 - P.191

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 抄録:人工靱帯による前十字靱帯再建術後,感染を生じ再再建術を施行した1例を経験したので報告する.症例は,20歳の男性で,左膝前十字靱帯損傷に対して,関節切開にてLeeds-Keio人工靱帯による関節内再建,関節外補強術を行った.術後2週で黄色ブドウ球菌による化膿性膝関節炎の診断を受け,直ちに持続洗浄,抗生剤の全身投与を開始したが,感染の沈静化を認めないため,術後40日で靱帯の抜去,鏡視下滑膜切除術を行い,持続洗浄を再開し,関節炎を治癒させた.血沈,CRPの正常値が続き,X線像も異常を認めないため,感染後21ヵ月で関節切開にて腸脛靱帯を用いた二重支持再建法を施行した.再再建術後1年では,感染の再発なく,不安定性も認めず,Lysholm's scoreにて98pointsと良好な結果であった.人工靱帯の感染例に再手術が必要なときは,感染に強いと考えられる自家組織,特に有茎で使用できる腸脛靱帯などを使用するべきと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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