シンポジウム 頸部脊柱管拡大術の長期成績
緒言
著者:
竹光義治1
所属機関:
1旭川医科大学整形外科
ページ範囲:P.241 - P.241
文献購入ページに移動
頸部脊柱管拡大術-椎弓形成術の歴史を紐解いてみると,1973年小山・服部らのユニークな椎弓形成術と1976年桐田の広範同時除圧のアイデアに始まり,1978年平林の片開き式頸部脊柱管拡大術,1981年宮崎・桐田の椎弓拡大術,1982年黒川らの棘突起縦割法脊柱管拡大術,同年伊藤・辻らのen bloc laminectomy,1982年岩崎の拡大椎弓形成術,その他次々にユニークな方法が開発され,わが国脊椎外科の特技となったことは言うまでもない.それまでの逐次的な広範椎弓切除術の成績が思わしくなかったことから,先人達が大変な苦労の末開発したこれらの椎弓形成術は,15年余りを経てその好成績から今や安定した手術法として広く定着し適応も拡大した感がある.
しかし,遠隔成績をみると,すべて満足というわけではなく,幾つかの注意点も見いだされている.第64回日整会において山室会長は本手術の遠隔成績についてのパネルを企画され,筆者に座長を依頼された.そこで永年,多くの経験症例をもつ施設の研究者に5年以上の成績につき発表をお願いした.パネルは盛況で,興味ある討議が展開された.ポイントをあげてみると