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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻3号

1992年03月発行

文献概要

シンポジウム 頸部脊柱管拡大術の長期成績

頸椎椎管拡大術(服部法)の長期成績

著者: 中村克巳1 河合伸也1 砂金光藏1 土井一輝1 斉鹿稔1 高野信一1

所属機関: 1山口大学医学部整形外科

ページ範囲:P.243 - P.248

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 抄録:頸椎部脊髄症に対する椎弓切除術は,頸椎の後方部分を切除するために,術後の支持性の減弱による彎曲異常や不安定性の増悪をきたしうる等の危惧がある.1971年,服部名誉教授は十分な後方除圧と共に後方要素の再建を行い,頸椎の支持性を保持する“頸椎椎管拡大術”を考案した.以来,私達は症例を選んで,主に服部法による椎管拡大術を施行してきた.これまでに服部法を140例に行っており,今回改めて服部法の5年以上経過例(CSM45例とOPLL35例)の成績を調査し,検討を加えた.術後は術前の脊髄の病態に応じた良好な成績が得られる.さらに,術後長期にわたって良好な成績が維持されている.拡大された椎管腔は,長期にわたって維持され,椎弓の背側には骨新生が起こり,強固な骨性の支持組織が形成される.頸椎の後彎化傾向は軽度だがみられ,その多くが術後6カ月以内に起きているので骨性の支持ができるまでは,彎曲異常の出現には注意を要する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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