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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻3号

1992年03月発行

文献概要

シンポジウム 頸部脊柱管拡大術の長期成績

頸椎後縦靱帯骨化症に対する脊柱管拡大術(桐田-宮崎法)の手術成績―術後5年以上経過例について

著者: 佐藤栄修1 金田清志1 白土修1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.249 - P.255

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 抄録:頸椎後縦靱帯骨化症に対する脊柱管拡大術として,広範囲同時除圧式椎弓切除術(桐田法)から両側へ翻転した椎弓を切除せず残す桐田-宮崎法を1980年より施行して来た.術後5年以上経過した33例を臨床的,X線学的に調査し,本法の妥当性を検討した.日整会スコアは術前8.9±2.3点が術後平均6年1カ月の調査時の12.8±2.6点で,最終改善率(平林)は48.6±39.4%であり,上下肢運動機能を評価した治療成績評価区分(黒川)では,改善以上が84.8%とおおむね良好な成績が得られた.調査時症状の再悪化は5例に認めた.MRIを調査した3例では脊髄萎縮を認めた.頸椎可動域は術前より平均56%減少した.新たな椎間不安定性の出現はなく,側溝に骨移植した結果の後方椎間骨癒合は90%で得られた.22例(67%)で平均16.7゜前彎が減少していたが,10゜以上の高度な後彎変形は3例(9%)のみであった.本法は安全確実な除圧が可能で,簡便な固定術によりある程度の制動効果をもつ.laminectomy scar membraneによる硬膜柱への圧迫もなく,脊柱管拡大術の一法として採用され得るものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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