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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻3号

1992年03月発行

文献概要

シンポジウム 頸部脊柱管拡大術の長期成績

片開き式頸部脊柱管拡大術の長期成績―その意義と問題点

著者: 西幸美1 平林洌1 藤村祥一1 里見和彦1 高畑武司1 小野俊明1 手塚正樹1 河野亨1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.263 - P.270

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 抄録:片開き式脊柱管拡大術の長期成績を明らかにするため,術後5年以上経過した51例(OPLL 33例,CSM 18例)について臨床症状,X線所見,CT所見を調査し,その経年的推移を追跡した.臨床症状としてのJOAスコアは術後短期間で良好な改善を示し,その成績は術後5年以上にわたり安定維持されていた.X線所見では脊柱管の拡大状態は長期間安定し,頸椎可動域は術前に比べ半減し,頸椎彎曲は若干の直線化,後彎化傾向を認め,OPLL例は約40%の症例に骨化増大を認めた.本術式の長期成績は全般的に安定していたが,術後3年以降に8例の症状悪化例があり,この原因は,骨化増大,他部位での骨化出現・増大,頸椎後彎増強などであった.従って,特にOPLL例では脊柱管の十二分な拡大とその保持が,他部位の骨化に関しては慎重な経過観察が,特に術前後彎・直線型を示す症例に対してはその進行を防止,さらには改善すべく術式の改良も含めた特別な配慮が必要と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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