icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻3号

1992年03月発行

文献概要

シンポジウム 頸部脊柱管拡大術の長期成績

頸部脊柱管拡大片側固定術の検討―術後5年以上症例について

著者: 松﨑浩巳1 徳橋泰明1 若林健1

所属機関: 1日本大学医学部整形外科(駿河台病院)

ページ範囲:P.271 - P.279

文献購入ページに移動
 抄録:頸部脊柱管拡大片側固定術は広範囲な拡大に加え,脊髄の前方にある骨棘やOPLLの不連続部の圧迫病変(dynamic compression factor)に対して,後方で片側固定を追加して対処する術式である.平均6.3年のfollow upで平均改善率は60.5%であり,とくにspondylosisとstenosis例は良好であった.頸椎のアライメントは前彎の減少や直線化の傾向があり,6例(11.5%)に後彎の発生があった.また,拡大隣接部の変化として,14例(26.9%)に隣接椎弓への癒合が認められた.片側固定部内では,片側固定椎弓と一致した椎体の34例(65.3%)に自然椎体癒合が見られた.後彎防止には筋組織の温存と椎間関節に侵襲を加えないことが重要であった.
 最小限の固定と確実な除圧を得るために,術中超音波診断を用いて脊髄後方移動と前方のcompressionfactorを確認し,同部に片側固定を施行することが合理的な方法と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら