文献詳細
文献概要
臨床経験
TKAを施行したアルカプトン尿症性関節症の1例
著者: 福本和生1 葛原啓1 今井亮2 川北苭三3 浦田洋二4
所属機関: 1神戸海岸病院整形外科 2京都第一赤十字病院整形外科 3京都大橋総合病院整形外科 4京都府立医科大学第一病理
ページ範囲:P.297 - P.300
文献購入ページに移動我々は,病理組織学的所見および生化学的根拠より,本症における軟骨破壊のinitial stepは軟骨基質障害と考えられるよりもむしろ軟骨細胞障害であると考えた.すなわち,メラニン様色素は,主に軟骨細胞内で酵素反応により産生され,cell deathとともに軟骨基質に放出され,コラーゲンにtightに結合し,そのため軟骨基質の正常な代謝が二次的に障害され,易損性となり,さらに脱落した軟骨片がmacrophageを介して炎症反応を助長し,変形性関節症に進行する可能性が示唆された.
掲載誌情報