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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻3号

1992年03月発行

文献概要

臨床経験

著明な骨粗鬆症と多発骨折をきたしたCushing症候群の1例

著者: 桜井隆12 東文造1 藤原桂樹1 北野継弐1 荻野洋1

所属機関: 1星ヶ丘厚生年金病院整形外科 2現:ガラシア病院

ページ範囲:P.315 - P.317

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 抄録:副腎腺腫によるCushing症候群によって著明な骨粗鬆症と多発骨折をきたした症例の骨塩量をDEXA(dual energy X-ray absorptiometory)にて追跡した.症例は33歳,女性.31歳頃より無月経.高血圧精査のため1988年9月当院内科受診.副腎腺腫によるCushing症候群と診断され腺腫摘出術が施行された.入院時より腰背部痛,股関節痛を訴え当科を受診.X線写真及び骨シンチグラフィーで第12胸椎,第2腰椎,肋骨,両側坐骨および恥骨に多発骨折を認めた.DEXA(Norland XR-26)による骨塩定量ではL2-L4 BMD 0.655g/cm2,Ward's BMD 0.511g/cm2,total body BMC 1605.6gと著明な低下を認めた.副腎腺腫摘出術後の内分泌異常の改善とvit. D3の投与により骨塩量は2年間で特に海綿骨部で約20%改善した.患者のpeak bone massの低値,出産による骨塩の喪失,血中ステロイドレベルの急激な上昇,合併する続発性副甲状腺機能亢進症などが著明な骨粗鬆症をきたした原因と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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