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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻4号

1992年04月発行

文献概要

特集 主題・腰部脊柱管狭窄症/パネルI・脊椎転移性腫瘍の手術的治療/パネルII・脊椎脊髄MRI診断(第20回日本脊椎外科学会より) 主題 腰部脊柱管狭窄症

変性ならびに分離すべり症による間欠性跛行の臨床的検討

著者: 里見和彦1 高畑武司1 猪飼俊隆1 宮田義之1 藤村祥一1 平林洌1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.373 - P.379

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 抄録:腰椎すべり症による間欠性跛行の発症要因を探るため,変性すべり症(DS)と分離すべり症(LS)の画像所見を対比検討した.手術例のうち間欠性跛行を呈した症例は,DSで47例61%,LSで18例27%であった,間欠性跛行例は,そうでない症例に比べて平均年齢が10歳高かったが,すべりの大小には関係がなかった.ミエログラム上,grade 3の完全狭窄像はDSの32例68%にみられたが,LSでは1例にすぎなかった,LSでは,後屈時に狭窄の出現するgrade 2が8例57%と多かった.DSのCTM像は,stage 2,3が97%の症例であった.LSのCTM像はすべりの増大にともない硬膜管が円形から楕円形に変化し,それに側方狭窄像が加わった例が50%にみられた.以上より間欠性行の発生要因は,主にDSではすべり椎の下関節突起の前方偏位に,LSでは分離部の側方圧迫にあった.すなわち,DSでは馬尾性の間欠性跛行か,LSでは神経根性の間欠性跛行が多く発症する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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