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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻4号

1992年04月発行

文献概要

特集 主題・腰部脊柱管狭窄症/パネルI・脊椎転移性腫瘍の手術的治療/パネルII・脊椎脊髄MRI診断(第20回日本脊椎外科学会より) 主題 腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症(すべり症を除く)に対する手術術式とその成績―特に固定の長期的影響について

著者: 山縣正庸1 高橋和久1 村上正純1 高橋弦1 大竹良治1 豊根知明1 南徳彦1 守屋秀繁1

所属機関: 1千葉大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.437 - P.442

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 抄録:すべり症を除く腰部脊柱管狭窄症39例に対して広範囲椎弓切除術および開窓術による術後成績を比較し,また各々の術式に固定を加えた場合,固定が脊椎に長期的にどのような影響を及ぼすか検討を行った.JOAスコアの平均は術前14.5から術後24.2と満足する結果を得ていた,術式別の成績では各術式に差は認めなかったが,開窓術に後側方固定を加えた群で改善率75%と最も良かった.X線学的な変化としては,固定群に30%の側彎の発生を認め,また非固定群の20%に6~20%の程度のすべりが出現した,骨棘の形成および増大は全体の44%に認められたが,固定の有無には明らかな関連が無かった.臨床症状との関連では側彎を呈した例に術後成績が悪かった.また1例は後彎の発生をみていた.すべり発生例における成績の悪化は認められなかった.広範囲椎弓切除術または開窓術においても固定術を併用した場合,長期的には側彎の発生する症例があり,これらは半数が臨床症状との関連を示した.すべりを伴わない腰部脊柱管狭窄症においてはstenosisを起こしているレベルが多椎間に及んでいることが多く,固定に際しても術後隣接椎間に対する注意深い配慮が必要と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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