特集 主題・腰部脊柱管狭窄症/パネルI・脊椎転移性腫瘍の手術的治療/パネルII・脊椎脊髄MRI診断(第20回日本脊椎外科学会より)
パネルI 転移性脊椎腫瘍の手術的治療
〈座長総括〉転移性脊椎腫瘍の手術的治療
著者:
富田勝郎1
所属機関:
1金沢大学
ページ範囲:P.472 - P.473
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従来より転移性脊椎腫瘍の手術的治療は幾度となく挑戦されてきたが,一向に明確な方向が見えてきていなかった,しかし,最近の脊椎外科の進歩と癌治療の進歩により俄然,新しい胎動がみられていることも事実である,このテーマが昨年の第64回日本整形外科学会(山室)では国際シンポジウムとして取り挙げられ,今年(平成3年)“はたち”を迎えた第20回日本脊椎外科学会においても,竹光会長によりパネルとして取り挙げられた理由もここにあろう.また,平成4年の第65回日本整形外科学会でも再度これがシンポジウムとなっており,さらには第25回日本骨軟部腫瘍学会では腫瘍学の立場から同様に迫る,というふうに,今,癌転移を含めた脊椎腫瘍の手術治療に新分野が拓かれつつあることは確かであり,衆目の一致しているところであろう.この状況を反映して今回は24題に及ぶ演題が発表され,熱っぽい討論が展開された.
なお,発表に先立って竹光会長の提案により,座長の一人,田島先生のもと各演者に対してアンケート調査が行われ,発表に共通した問題点の整理を助けた.座長は演題1~8を富田が,9~16を田島教授が,17~24を茂手木教授が担当した.討論は,論点を明確にするため,胸・腰椎に限って行われた.