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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻4号

1992年04月発行

文献概要

特集 主題・腰部脊柱管狭窄症/パネルI・脊椎転移性腫瘍の手術的治療/パネルII・脊椎脊髄MRI診断(第20回日本脊椎外科学会より) パネルI 転移性脊椎腫瘍の手術的治療

転移性脊椎腫瘍の手術―特にPosterior Total Spondylectomyを中心に

著者: 富田勝郎1 川原範夫1 長田茂樹1 鳥畠康充1 大成永人1 高橋啓介1 安竹秀俊1

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科

ページ範囲:P.481 - P.490

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 抄録:我々は原発性脊椎腫瘍のみならず限局した転移性脊椎腫瘍に対しても,可能な限り徹底的に病巣を切除する脊椎全摘術(total spondylectomy)を追求してきた.そのためには手術適応を明確にする必要があり,転移病巣の進展度に応じた“surgical staging”を考案した.即ち,罹患脊椎の水平断における病巣の広がりの度合いによって腫瘍を,stage I(椎体または椎弓に限局したもの),stage II(椎弓根に波及したもの),stage III(椎体から椎弓にかけて広く及んでいるもの),stage IV(傍脊椎部に発育したもの)と分類した.stage IIIが脊椎全摘術の良い適応であり,stage IIおよびstage IVは相対的適応としてきた.
 特にここに示す後方進入脊椎全摘術(posterior total spondylectomy)は脊髄への愛護的操作,周到な出血対策,spinal instrumentationの効果的な応用により,後方から脊髄全周除圧をはかると同時に,腫瘍脊椎を可能な限りen blocに摘出することにより徹底した腫瘍切除を追求したものである.本法の適応症例は今のところ厳選されるべきであるが,脊椎転移癌患者のQOLを高め,延命効果にもつながる可能性をもつ方法であると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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