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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻5号

1992年05月発行

文献概要

臨床経験

大腿骨に発生した骨膜性骨肉腫の1例

著者: 溝渕弘夫1 石田健司1 三好信也1 近藤誠1 山本博司1 園部宏2 貞広哲郎3

所属機関: 1高知医科大学整形外科学教室 2高知医科大学第2病理学教室 3土佐市民病院整形外科

ページ範囲:P.617 - P.620

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 抄録:22歳男性の右大腿骨近位部に原発した骨膜性骨肉腫の1例を報告した.肉眼的に,病変の主体は骨膜から周囲軟部組織に浸潤性に増殖する16×11×9cm大の腫瘍であったが,病変部骨髄内のごく一部に小結節性軟骨病巣の集簇よりなる“髄内病変”を伴っていた.しかし,明らかな骨皮質の破壊はなかった.組織学的には,主病変は,異型軟骨組織の分葉~島状増殖を主体とし,一部に類骨を形成する未分化な紡錘型細胞巣を伴っていた.また,“髄内病変”も基本的にはこれと同様であった.以上の所見から本症例を骨髄内に発生した軟骨芽細胞型骨肉腫の骨外進展とは考え難く,骨表面に発生した骨膜性骨肉腫が髄内浸潤したものと考えた.“髄内病変”の除外を骨膜性骨肉腫の診断基準とする見解もあるが,“髄内病変”の有無はむしろ病期を反映するものであり,この型の骨肉腫の診断にとって本質的なものではないと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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