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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻5号

1992年05月発行

文献概要

臨床経験

膝関節前方に骨折片が転位した脛骨外顆骨軟骨骨折の1例

著者: 木下誠司12 鷲見正敏1 片岡治1 庄智夫1

所属機関: 1国立神戸病院整形外科 2現:姫路聖マリア病院

ページ範囲:P.629 - P.633

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 抄録:症例は,19歳,男性.バイク運転中に転倒して受傷した.左膝関節痛・腫脹・膝蓋跳動が著明であり,膝窩部に圧痛を認めた.単純・断層X線上顆問窩前方の骨引片と,その母床と考えられる骨欠損像を脛骨外顆後方に認めた.腰麻下では外反動揺性を認め,Lachman testは陰性であったが,pivot shift testは陽性であった.手術において,前十字靱帯・外側半月板損傷を伴っていることを確認し,摘出した骨折片を後方より整復固定した.膝関節周辺部の骨折では,同時に靱帯損傷を合併することが多いが,本例のように前十字靱帯損傷を伴う脛骨外顆骨軟骨骨折および骨折片の前方転位を伴った報告はみられなかった.受傷機転に関しては,骨折片の前方転位を伴っているため,本症例では脛骨の内旋・前方亜脱臼が生じ,整復時に大腿骨外顆が脛骨外顆後方に衝突して,骨軟骨骨折および骨折片の前方転位を起こしたと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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