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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻5号

1992年05月発行

文献概要

臨床経験

先天性両側多発性指伸筋腱脱臼の1例

著者: 及川久之1 龍順之助1 木内哲也1 田中潔1 松本不二生1 鳥山貞宜1

所属機関: 1日本大学医学部整形外科

ページ範囲:P.639 - P.641

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 抄録:我々は極めて稀な先天性両側多発性指伸筋腱脱臼の1例を経験したので報告する.患者は14歳男性.主訴は両手指の伸展障害.10歳の頃,左中指の伸展障害が出現.以後,両側母,中,環,小指の伸展障害も時々出現した.当科初診時,MP関節90°屈曲位で両側とも母,中,環指伸筋腱は尺側へ,小指伸筋腱は,橈側へ脱臼するのを認めた.治療は両側母,中,環,小指MP関節の腱形成術を津下法(expansion hoodの縫縮術)に準じて施行した.指伸筋腱脱臼の分類は外傷性,先天性,退行性の3型(McCayら)に分けられ,おもにRAによるものが多い.指伸筋腱の先天性脱臼の報告は少なく,特に両側多発性の報告は極めて稀である,今回の症例では,10歳の頃より脱臼がみられること,外傷の既往がないこと,両側多発性であること,術中所見よりexpansion hoodの弛緩がみられることより先天性と考えた.術後1年8ヵ月の現在,経過良好で再脱臼はみられていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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