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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻6号

1992年06月発行

文献概要

論述

軟部腫瘍におけるMRIの臨床的意義

著者: 伊藤公一1 牛山隆1 原田栄志1 豊岡聡1 山本謙吾1 今給黎篤弘1 三浦幸雄1 海老原善郎2

所属機関: 1東京医科大学整形外科学教室 2東京医科大学病院病理部

ページ範囲:P.667 - P.676

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 抄録:我々は軟部腫瘍45例に対しMRIを施行し,その臨床的意義について検討した.0.5および1.5Tesla超伝導磁場装置を用い,SE法でT1,T2強調像,Gd-DTPA enhance像を撮像した.腫瘍の撮像条件は骨や脂肪との関係はT1強調像,周囲筋肉や血管との関係はT2強調像が有用で,enhance像はviable領域と壊死領域の鑑別,周辺浮腫の識別やvascularityの把握に有用であった.またT1,T2強調像の組み合わせにより,出血,壊死,線維化,のう胞性変化などの組織学的変化の識別が可能であった.良性・悪性の鑑別では,腫瘍形態,境界部性状,内部均一性,周囲軟部組織や骨への浸潤の5項目につき検討し,MRI評価点数を試案した結果,両者間に有意差が認められた.質的診断に関しては脂肪腫,血管腫等,一部を除き困難であった.切除標本とのサイズ比較では,MRIが平均2.1mmの過大評価となっており,腫瘍周辺の炎症や浮腫を病巣と評価するのが原因であると考察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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