icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻6号

1992年06月発行

文献概要

臨床経験

胸椎後側彎変形・四肢末梢の著明な骨吸収像を呈し,多発骨折を合併したWerner症候群の1例

著者: 堀江健次1 成尾政圀1 小柳英一1 浦門操1 椎葉睦生1 石堂康弘1

所属機関: 1成尾整形外科病院

ページ範囲:P.729 - P.732

文献購入ページに移動
 抄録:Werner症候群は,早期に老人様変化を現す疾患であり,強皮症様皮膚変化と白内障を伴う事を特徴とする.今回我々は,骨粗鬆症・胸椎後側彎変形・四肢末梢の著明な骨吸収像・多発骨折を呈したWerner症候群の1例を経験した.同様な症例は検索し得た範囲ではなく,稀な1例と考えられたので,臨床的特徴とX線所見を提示し,鑑別疾患と共に報告する.症例は47歳女性,老人様顔貌・低身長・亀背・四肢末梢の萎縮が著明であった.転倒後より右大腿部痛・左肩痛・腰背部痛が強くなり独歩不能となり,本院を受診した.家族歴は,両親がいとこ同志の血族結婚であった.X線検査で全身の骨萎縮・胸椎後側彎変形・四肢末梢骨吸収像・左鎖骨骨折・左肩甲骨骨折・両側多発肋骨骨折・右大腿骨頸部骨折を認めた.眼科精査にて両側白内障を伴っており,Werner症候群と診断した.本症候群は早老症の範疇に該当し,鑑別疾患として,Gottron症候群(acrogeria)が重要であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら