icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻6号

1992年06月発行

文献概要

臨床経験

前十字靱帯再建術後の膝蓋大腿関節の軟骨変性について―再鏡視による検討

著者: 中川滋人1 史野根生1 井上雅裕1 中田研1 前田朗1 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.733 - P.737

文献購入ページに移動
 抄録:膝蓋部痛はACL再建術後の合併症のひとつとして注目されている.本研究の目的は,ACL再建術後の再鏡視の結果をもとに,①ACL再建術後の膝蓋大腿関節(PFJ)の軟骨変性の頻度を調査することと,②この軟骨変性に影響を及ぼすと思われる因子を検討すること,であった.対象は,新鮮あるいは陳旧性ACL損傷例に対して凍結保存同種腱または自家膝蓋腱を使用したACL再建術を行い,再鏡視も可能であった計181膝であった.まず,再建時と再鏡視時のPFJの軟骨変性所見を5段階に分類し,この所見の変化を調査した.さらに,軟骨の変性に影響を与えると思われる8因子の悪化率を求め,これに統計学的解析(カイ2乗検定,重回帰分析)を加えた.結果は,181膝中悪化93膝(51%),不変74膝(41%),改善14膝(8%)であった.関節切開自家膝蓋腱使用再建例に比べ,関節鏡視下同種腱使用再建例のほうが,PFJの悪化が少なかった上また,顆間窩形成術の追加がPFJの悪化に大きく影響していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら