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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻7号

1992年07月発行

文献概要

論述

股関節周辺の不顕性骨折に対する診断―MRI,骨シンチの有用性

著者: 中村宣雄1 西塔進1 中嶋洋1 津田隆之1 勝部博之1

所属機関: 1住友病院整形外科

ページ範囲:P.793 - P.799

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 抄録:高齢者の骨折の中にはX線上骨折線の見られないいわゆる不顕性骨折の型をとるものが存在する.特に股関節周辺の不顕性骨折は日常診療における重要な問題である.当科で経験した10例の股関節周辺の不顕性骨折(大腿骨頸部骨折6例,骨盤骨折3例,大転子骨折1例)につき早期診断における諸画像検査の有用性を検討した.10例はいずれも転倒により発症し,うち8例は歩行不能であった.初診時には単純X線,X線断層撮影にて異常なく,理学所見から9例を大腿骨頸部骨折,1例を恥骨骨折と診断した.確定診断は8例が骨シンチで,2例がMRIによりなされ,仙骨骨折はCT検査により初めてその骨折線が明らかとなった.いずれの例も早期の手術療法あるいは安静により順調に回復した,以上のことより,丹念な患者診察から不顕性骨折を疑うことが重要で,骨シンチとMRIにより早期の確定診断が可能であることがわかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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