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臨床経験
交通外傷後に発症したClostridium glycolicumによるガス壊疽の1例
著者: 森政樹1 縄田耕二1 瀬谷斎1 鱸俊朗1 中村喜一1 上本宗唯1 野々上忠彦2
所属機関: 1鳥取県立中央病院整形外科 2鳥取県立中央病院麻酔科
ページ範囲:P.851 - P.853
文献購入ページに移動ガス壊疽とは,ガス発生を伴う感染症の総称であり,起因菌としては,嫌気性グラム陽性桿菌のクロストリジウム属がよく知られている.基礎疾患では外傷が多く,汚染創のために血流障害を生じた壊死組織に感染して発症し,進行が急で,速やかに適切な治療が行われなければ重篤で予後不良な疾患である.症例は69歳,男性で,交通外傷治療中に患部皮下のガス発生を伴って発症した.起因菌は珍しいClostridium glycolicumであった.患肢の壊死がひどかったため患肢を切断したが,高圧酸素療法,抗生物質多剤併用投与,高カロリー輸液等の治療により救命することができた.
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