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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻8号

1992年08月発行

文献概要

論述

交通事故における上位頸椎領域の靱帯損傷

著者: 越後谷直樹1 原田征行1 村上利2

所属機関: 1弘前大学医学部整形外科学教室 2弘前大学医学部法医学教室

ページ範囲:P.895 - P.903

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 抄録:交通事故における上位頸椎損傷,特に翼状靱帯,環椎横靱帯などの靱帯損傷について,交通死亡事故遺体より得た頸椎標本16例の所見をもとに検討した.上位頸椎損傷は14例に認められ,その中13例に靱帯損傷を伴っていた.13例中8例には明らかな骨折や脱臼,不安定性を認めなかった.翼状靱帯損傷は11例に,その中3例に横靱帯損傷が認められた.横靱帯の単独損傷はなかった.1例に,横靱帯の横の連続性が残存した冠状断裂による著明な環軸椎亜脱臼を認めた.一般に,交通事故における頸椎損傷は加速度損傷であり,前後屈,回旋,側屈などの混合運動が強制される.特に横靱帯損傷を伴うものは作用外力も強く,過屈曲の関与が大きい.靱帯損傷を認めた13例中8例は頭蓋骨骨折を伴い,頭蓋骨骨折に靱帯損傷を伴わないものは2例のみであった.程度に関わらず,頭部外傷を認めるものでは靱帯損傷を伴う可能性が高いと推定された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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