icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻8号

1992年08月発行

文献概要

境界領域

人工膝関節形成術における自己血輸血

著者: 八木知徳1 平岡正毅1 男沢千啓2 鈴木哲2

所属機関: 1手稲渓仁会病院整形外科 2手稲渓仁会病院臨床検査部

ページ範囲:P.911 - P.916

文献購入ページに移動
 抄録:人工膝関節置換術に伴う術中・術後出血量は1,000mlをこえることがあり,同種血輸血を要することが多い.しかし,同種血輸血は,いまだにC型肝炎を始めとする感染症やGVHDなどの危険があり,安全とはいえない.当科では1988年より人工膝関節形成術症例に対し,術前自己血採血・貯血を行うとともに,術中・術後出血回収法を行ってきたので,高年齢者における術前採血法の安全性,有効性について検討し報告する.
 術前貯血群(n=14)の総輸血量は平均1,004mlで,輸血は術前貯血493ml,回収血482ml,同種血29mlで,同種血輸血は1例のみであった.非貯血群(n=14)の総輸血量は909mlで,同種血は471ml,同種血輸血は11例(71%)であった(P<.01).術前採血量が600ml以下であればヘモグロビン値の低下は少なく,合併症も皆無で,自己血輸血法は平均70歳以上の高齢者においても安全で有用な方法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら