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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻8号

1992年08月発行

文献概要

臨床経験

股関節疾患における腰椎X線像の検討―腰椎不安定性に及ぼす影響について

著者: 木下誠司12 鷲見正敏1 片岡治1 庄智夫1 佃政憲1

所属機関: 1国立神戸病院整形外科 2現:兵庫県立加古川病院整形外科

ページ範囲:P.933 - P.937

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 抄録:股関節疾患に基づく屈曲拘縮や脚長差のために,腰椎に前彎や側彎変形が発生するとの報告は散見されるが,腰椎不安定性発生についての報告は少ない.筆者らは変股症患者の立位腰椎X線像における,各種変形および不安定性について検討した.対象は変股症50例で,男性が4例,女性が46例であり,年齢は28~80歳(平均55歳)であった.腰痛などの臨床症状と股関節屈曲拘縮・脚長差を調査し,立位腰椎X線前後および側面機能撮影像から,腰椎前彎角・側彎角・骨盤傾斜角および前方圧縮像やすべり像などの不安定性について検討した.
 腰痛は26例(52%),腰椎由来の下肢症状は7例(14%)に,20°以上の屈曲拘縮は22例(44%),2cm以上の脚長差は18例(36%)に認められた.65°以上の腰椎前彎角は16例(32%),5°以上の側彎角と側方への骨盤傾斜角は各19例(38%)・11例(22%)に認められた.腰椎不安定性は25例(50%)に,特に屈曲拘縮例(20°以上)に多く認められた(P<0.01).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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