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臨床経験
小児大腿骨頸部骨折における血行の検討
著者: 武村康1 渥美敬1 吉田雅之1 山野賢一1 佐藤哲夫1 村木稔1 斉藤進1 黒木良克1
所属機関: 1昭和大学藤が丘病院整形外科
ページ範囲:P.939 - P.944
文献購入ページに移動今回我々は,大腿骨頭の血行変化を選択的動脈造影にて観察した4例の小児大腿骨頸部骨折を経験したので報告する.受傷時年齢は10~15歳(平均12.5歳),受傷時からの平均経過観察期間は,3年1カ月であった.4例中1例は保存的療法,3例は観血的整復固定術を施行した.手術を行った3例中2例は術前および術後に,残り1例は術後のみに造影を行った.術前造影では2例とも骨頭内に正常な血管形態を認めず,術後造影においては,1例は正常形態に近い血管が造影され予後も良好であり,他の2例では正常血管を認めず壊死に至った.保存療法の1例は,ほぼ正常の血管が観察され,予後良好であった.以上より,受傷時に起こる大腿骨頭の虚血後の修復血行の侵入進行程度がその予後に影響を及ぼすことが示唆された.
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