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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科27巻8号

1992年08月発行

文献概要

臨床経験

踵骨multifocal ossificationの2例

著者: 向井宏1 藤井英夫1 佐藤進1 工藤俊男1 上原香1

所属機関: 1姫路聖マリア病院整形外科

ページ範囲:P.949 - P.953

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 抄録:非常に稀な踵骨multifocal ossificationを2例経験したので報告する.症例1)2歳,男.左扁平足のため来院した.X線上,両踵骨前方3分の1の骨陰影が欠損していた.足底挿板を装用し足部変形は矯正された.成長に伴いX線での踵骨前方の骨陰影欠損部には骨核が出現し,それらは徐々に大きくなり,8歳時には踵骨は正常の形態を示した.症例2)4週,女.右足部変形を主訴に来院した.右足部は外反踵足を示した.X線上,両踵骨は後方3分の1に点状の骨核が散在するのみであった.足部変形はギプスおよび装具により矯正された.X線上,1年後,踵骨後方に骨核が出現し,2年後,前方にも骨核が現れ,両者は癒合しようとしていた.過去の文献上,本症は踵骨外反変形を高率に合併していたが,両者の間に困果関係があるとは断定できない。また,本症は足部の変形がない限り,経過観察のみで充分と思われるが,2~3歳児では足底挿板も考慮すべきかもしれない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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